夢の2ストエンジン。

2019年6月22日


STAP細胞問題で一躍話題となった英科学誌【ネイチャー】に興味深い研究論文が載ったそうです。

「発展途上国の至る所で見られる2ストスクーターは局所的な大気汚染の大きな原因の1つになっている。」

論文を発表したのはスイスのポール・シェラー研究所チームで、
「ガソリンとオイルを混ぜた燃料で走る2ストスクーターは、消費される燃料を同等の割合で換算した場合、
排出される微小粒子や有毒ガスの量は、大型トラックやバスの数十倍から数千倍に相当するという。 」
という内容でした。

世界的な環境問題を背景に日本では2000年を最後に全ての2ストオートバイの新車販売が終了しましたが、
欧州製の2ストオートバイはその後もしばらく少機種のみ存続販売していました。
(今走っている2スト車はほぼ100%10年以上前に作られた中古車です。)
更に日本製2ストオートバイ(スクーター)は古くなっても故障が少いので、
発展途上国ではオイルが詰まって煙や油の出やすい整備不良マフラーでも充分走るのかもしれません。

ここで考えてみます。「何故2ストオートバイは嫌われるのか?」

私がオートバイに興味を持った頃、国内ではホンダ・カワサキ以外は2ストロークしか作っていませんでしたが、
まだ環境にうとかったその当時でも2ストオートバイを嫌う人は結構いました。
「排気音が女房のかんしゃくみたいに五月蠅い。」「マフラーから出る煙と油が嫌い。臭い。」
「エンジン形状が4ストの方がカッコイイ。」等々…。

私も自分でお金を出して初めて購入したオートバイは4ストでした。(ホンダCB400FOUR)
でも数年後、あるオートバイの登場が私の概念を変えてしまいました。(【初代ヤマハRZ250】です。)

スーパースポーツと言われていた人気のヨンフォアでしたが、RZに乗ったら世界が違います。
レーシングライダーの様にエンジンを高回転に維持して素早くコーナーを駆け抜ける。
そんな事が楽しめるオートバイはそれまで無かったんですよ~。
(スズキのサンパチやカワサキのKHはもちろん、ヤマハRDですらスポーツ性は低かったです。)
その後、4ストローク大型4気筒にも何台か乗ってみましたが、やはりちょっと違いました。
また2ストでも排気量が大きくなり過ぎてしまうと、公道(峠道)では楽しめないんです。
(ヤマハRZV500Rがそうでした。レプリカ風に作ってあるだけでした。)

「環境に悪く、社会に逆行している。」そんな事は「百も承知」です。
でも小排気量2ストローク車(125cc~250cc)って走らせると楽しいんですよね~。
正直たまに新型のリッターマシンが隣に停まると自分のオートバイがみすぼらしく感じてしまいますが、
見栄の張れる200馬力レプリカを買ったとしても、多分すぐに手放しちゃうでしょう。

1996年、環境に配慮した2ストとして、ビモータが社運を賭けて【500V due】というレプリカを発売しました。
揮発性の高いガソリンにオイルが混ざらない様に燃焼室に直噴させるエンジンでした。
クランクケースへの一次圧縮は空気のみで、潤滑用のオイルを少量給油させる仕組みだったと思います。
そうする事によって4ストと同等以上のクリーンな排気となる【夢の2ストエンジン】の予定だったのですが、
結局発売後500V dueはエンジントラブルの続出でまともに動く車両は無かったそうです。

あのエンジンが成功していれば、その後小排気量エンジンの開発もあったかもしれません。
今となっては何を言っても仕方ありませんが…。

将来的に「2ストエンジンの使用全面禁止」と法律が進まない事を願います。

ビモータ500V due  イタリア  300万円位?(1997年当時で不良返品の山だったらしいです。)