ジレラクロノ、アイドリング不調。

2022年7月24日

おはようございます、フクタロウです。
先日、エンジン不調となった【ジレラ クロノ】の修理をやって行きます。

症状としては、
「チョークを引けばエンジン始動するが、アイドリングは出来ない。」

クロノと付き合い出して、はや20年数年。
数え切れないトラブルと修理をして来たフクタロウとしては、
今回の故障原因が何であるかは、だいたい予想出来ます。

しかしセオリー通りに、と言うか分解し易い箇所から調べて行きます。
まずはクロノの【鬼門】である、排気デバイスの動作確認です。

ボルト3本で固定してあるシートを外し、(この作業も毎回億劫です)
後付け社外電子機器【チェンジマン】の動きをチェックします。

このチェンジマンは以前のブログとYouTubeでも説明しましたが、
一定回転数になるとスイッチが働き、他の機器に信号を送る装置です。
チェンジマン搭載。

クロノに付いている排気口コントロールユニットは、兎に角壊れやすく、
私は20年間で3個破損させてしまいました。
(故障原因は三種三様で、
電気の入り方によって、それぞれ違った内部基盤が破損します)

製造中止から22年経っているので、いよいよ予備パーツが手に入らなくなりました。
そこで排気デバイスを動作させる排気口コントロールユニットの代わりに、
回転数制御の出来るチェンジマンを取り付けたのです。

エンジンを掛け、排気デバイスをワイヤーで引っ張るソレノイド(これだけ日本製)が、
6000rpm手前で「カチッ」っと動けば問題ありません。
(ちょっと早めにスイッチが入りましたが、今回は良しとします。…テキトー!)

次は、いよいよ本丸の【キャブレター】を確認します。

クロノのキャブレターはあの悪名高き、あこがれの【デロルト】製です。
(最初はあのギロチンにワクワクしましたが、今では普通が最高です…笑)
ただ純正で付いている【VHSA32】は随分前に廃盤となっているので、
ジェットに関しては手に入りますが、それ以外の内部パーツは入手困難な状況です。

またクロノのキャブレターは性能が良いのか悪いのかよく分かりませんが、
デリケートである事は今までの経験上理解しています。

今回の不具合も、私がしばらくクロノに乗らなかったことが原因でしょう。
(2ヶ月乗ってませんでした。梅雨だったし、ベスパの全塗装が…。言い訳です…反省!)

キャブレターを分解すると、すぐ不具合を発見出来ました。
(予想通り【スロージェット】が詰まっていました)

このキャブレターは半年に1回は分解しているので、内部はかなりきれいです。
更にガソリンフィルターも取り付けてあるので、
タンク内のゴミが流れ込むのも考え難いのですが、ひとつ思い当たる事があります。

それは【液体パッキン】の使用です。

VHSA32は内部パーツが手に入らないので、分解時ガスケットも新品に交換出来ません。
そこで私は使用済みのガスケットに、
耐ガソリンの液体パッキンを薄く塗って対処していました。

でもどんなに薄く塗っても、多少はボディからはみ出てしまいます。
その内部にはみ出た液体パッキンが剥がれ、細いジェットに入り込んだのかもしれません。

今回は市販の【ガスケットシート】を加工して取り付けます。

さあエンジン始動です。
気持ちよく始動し、アイドリングも安定しました。

ここ最近はベスパ50Sの修理に掛かりっきりで、クロノは放置状態でした。
ご機嫌ナナメにならない様に、たまには峠でクロノを走らせます。(笑)

クロノ

Posted by フクタロウ