ピアジオブラボーのギヤ比を考える。
こんにちは、フクタロウです。
今回は「ピアジオブラボーのギヤ比」について考えて行きます。
その前に先回のブログでやり残した作業2点です。
① スピードメーターケーブルの交換。
近所にあるエムシーマニアックという、
本当にマニアックな部品を扱っているお店で、偶然新品をゲットしました。
(恐らく国内最後の新品パーツです。)
社外品でしたが純正品の欠点(メーターギヤへの固定ゴムの強化)がなされ、
前々から対策を考えていたその部分の自作改造をしないで済み、助かりました。
② メインジェットを♯58から♯60へ変更。
元々♯54で走っていたのですが、(50cc、ビッグキャブ、変速機交換)
ボアアップやホイール径、チャンバー変更に伴い、♯54~56で調整していました。
ところがある日、古くなったエアフィルターが崩れてクランク内まで入り、
シリンダーとピストンを焼きつかせてしまったのです。(私の整備不足です。)
焼き付き修理後、エアフィルターを新品にして♯58で走ったのですが、
プラグの状態を見ると問題無い様に見えます。
ただ私のブラボーにはゼロレーシング製のチャンバー(車種は不明)を改造し、
ペダルと干渉しない様に溶接して無理矢理取り付けてあります。
基本、チャンバーを変えてもメインジェットは吸気側で考えていましたが、
かなり抜けのいいチャンバーになってしまったみたいです。
(ポリーニやジェネリーのチャンバーでも、♯60にすると低速でかぶります。)
ものは試しです。♯60まで上げてみました。
キャブレターのセッティングは高回転域をメインジェットで考え、
低回転域はスロージェットで調整すると言われています。
しかしブラボーに使われているデロルト製キャブレターにはスローがありません。
(セッティングはメインジェットのみとなります。)
ブラボーは高回転域ではメインジェット変更の差は微々たるものでしたが、
今回大きくする事によって発進や低速域に効果が表れました。
(ブラボーのノーマルギヤ比が低過ぎる事が原因だと思います。)
兎に角、出だしと坂道が良くなったのです。
ダラダラと続くワインディングの坂道では30~45km/hが精一杯でしたが、
メインジェットを濃くしたら35~50km/hで走れる様になったのです。
(登り勾配がきつく、30km/h以下になっていた坂も35km/h出ました。)
そこで今回のメインの記事となるのですが、ブラボーのギヤ比を変えてみます。
実はこの事はブラボーを手に入れた13年前から考えていました。
しかしいくら待っても部品が欠品状態なんです。
(部品調達のお世話になっているのは、宇賀神商会様です。)
海外から輸入すればいいのですが、英語の苦手なフクタロウとしては……。
ヤフオクやAmazonで検索しても出て来ないので、
今回はダメ元で13年前から販売されている部品でトライしてみます。
それは「Ciao P-PX 3ギヤ 10/29歯」です。
チャオやブラボーの変速ギヤで有名な製品には、マロッシがあります。
以前は宇賀神商会様でも販売していましたが、ここ10年は欠品状態。
そこでこの10/29歯を、ノーマルギヤに組み込めないだろうかと考えたのです。
まず最初にブラボーのノーマルギヤ(ヘリカルギヤ)を説明します。
一番大きなギヤを…A。(アクスル側に繋がります。)
その下で金色に見えるのが、今回交換するCiao P-PX 3ギヤ 10/29歯…B/C。
(画像では手に持っている方がノーマルギヤ9/29歯です。)
この左側にあるのが23丁のギヤ…D。
一番左にあるのがクラッチに繋がるロケットシャフト…E。
それではギヤ比についての計算をして行きます。
<ノーマル>
A:B:C:D:E=39T:9T:29T:23T:10T…ギヤ比12.24
<マロッシ>
A:B:C:D:E=36T:11T:30T:23T:11T…ギヤ比8.93
<B/Cを10/29歯に交換した場合>
A:B:C:D:E=39T:10T:29T:23T:10T…ギヤ比11.02 となります。
低過ぎるノーマルギヤ比を少しでもマロッシに近づけたいと、苦肉の策なんです。
さっそく後輪を外し、(これが結構面倒臭い!)
ギヤケースも外して行きます。(赤矢印部分からオイル出ます。逆さま注意!)
Ciao P-PX 3ギヤ10/29歯に交換した状態で仮組し、手でシャフトを回してみます。
「ガラガラガラガラ…。」 はい、失敗です。
ひょっとしたらと思っていましたが、やはり無理でした。
(この部分の歯はヘリカルではなく、平歯でした。そりゃあ無理ですよね~。)
2,305円+送料が無駄となりましたが、いい勉強です。
折角リヤホイールを外したので、
先日手に入れたグリメカ製16インチホイールを試してみます。
(タイヤは少し古くて細い東南アジア製の、2.25/16サイズです。)
国産タイヤ70/100-14サイズからの変更ですが、
ブラボーの標準タイヤサイズは2.50/16なので、ホイール径は16インチが正解です。
いつも試走している近所の峠道を走ります。(止まっても押して帰れる距離だから。)
「ええっ!」
驚きました。加速や登坂性能はほぼ変わらず、最高速が伸びます。
焼き付き後なのでエンジンに無理はさせれませんが、
恐らく平地直線で65km/hは越えそうです。
元々50ccの時にノーマル16インチホイールでギリギリ60km/h出せたので、
62ccになって60km/hが出せない事が不思議だなあと思っていました。
ホイール径って重要なんですね。
ちょっと前後でホイールの色が違って変ですが、これでしばらく進めて行きます。
(気持ち前傾姿勢になりました。)
次に考えているのはクランクベアリングの交換です。
先回のブログでも書きましたが、50ccの時60km/hが出せる様になった途端、
ベアリングが粉砕してクランクが悲惨な状態になりました。
ピアジオブラボー、各部オイル交換。
予備の国産ベアリングは在庫してあるので、(純正は韓国製)
少し涼しくなったら作業します。
焼き嵌めが夏は暑くて嫌なんです。(そんな事言ってるとまた焼き付くかも!?)
ディスカッション
コメント一覧
ホイール径を大きくしても加速性能変わらず最高速が伸びるって凄いですね。エンジンに余裕があるって事でしょうか?ギヤ比の変更の方は部品が合わなくて残念でしたねぇ。
低速での加速性能が変わらないのは、多分ギヤ比が低過ぎるからだと思います。
モペットは馬力が圧倒的に低いエンジンばかりなので、ホイール径の大きさは重要ですね。
地道にギヤキット探します。
こんにちは フクタロウさん
ブラボーを長く乗られているんですね。昔、このHPでフライホイール(ピナスコだったかな)の記事を見たことがありましたが。私もここ5、6年はチャオをはじめとするモペッドをいじり倒しています。かれこれ10台以上再生してます。笑
Siにはマロッシのロングギヤ入れてます。当時、ドイツから輸入したのですが、商品1万8000円に送料が9000円くらいかかった記憶があります。今のレートですと1.5倍くらいになるのかもしれませんね。
エンジンも72ccまででしたら組み込み可能です。クランクケース要加工ですけどね。
松岡様、こんにちは。
コメントありがとうございます。
15年前に解体屋さんで見つけたブラボーですが、何故か縁あってずっと持ち続けています。
モペットに興味を持ったのは、事故で亡くなった友人の車庫にあったソレックス5000のレストアがきっかけです。
最初は「なんだかなぁ?」と思っていましたが、今はその低性能とクオリティの無い魅力にどっぷりハマっています。(笑)
マロッシのロングギヤ、いいですね!72ccのシリンダーも気になっています。
ただ私は宇賀神商会さんかヤフオクでしか部品を購入した事がないので、そこに無ければ諦めています。
海外から手配出来るって凄いですね。
今日も一日中、SSTRに向けて作業していました。
よかったらまたブログ読んで下さい。
フクロウさん こんばんは 私も宇賀神さんもしくはヤフオクが主要な部品調達ですよ。海外部品だとセカイモンで前述のギヤーを注文したくらいです。今現在 malossiの72ccの出物がありますよ。polliniと違ってパワー出てますよ。もし興味あられるのであればクランクケース加工も治具作りましたので実費で対応可能です。治具でフライス加工中の写真見れますかね。cid:E464933B-D390-425A-93E1-6EA89652F544
マツケンさん、こんにちは。
海外部品のセカイモン、さっそくチェックしました。
私はまったく海外の通販を見ないので、販売数の多さに驚きました。
でもちょっと敷居が高いかな?
宇賀神商会さんで輸入されるのを、地道に待ちます。
色々と気に掛けて頂き、ありがとうございます。