愛するスズキ自動車。
今回は【愛するスズキ自動車】のオートバイについて書いてみます。
私が初めて所有したスズキ車は【バンバン75(RV75S)】です。
これは欲しくて購入したのでは無く、元々家にあった父親のバイクでした。
十代だった1970年代後半当時、原付と言えばホンダのモンキーやダックス、
ヤマハのミニトレといった車両が人気でした。
スズキにもマメタン(OR50)や
ミニクロ(CM50)といった車両がそこそこ売れてはいましたが、
大人気とはなりません。
だからバンバンなんて乗っている人は皆無みたいなモンで、
ましてや小型二輪免許の必要な75ccなんて「フェラーリ並みの希少車!」でした。(笑)
当時から「スズキは変なバイクしか作らない。」なんて陰口を叩かれ、
出るバイクのほとんどが【迷車】とも言われます。(失言でした。ゴメンナサイ。)
しかし忘れた頃にスゴイ名車を作り出すのもスズキです。
1960年代にはT20やハスラー250といった名車もありますが、
私の年代(還暦間近)としては、【GT380(サンパチ)】でしょうか。
2ストローク空冷3気筒、ラムエアシステム付きの何故か4本マフラー。
「ギャイ~~ン!」っていう独特の排気音と2ストなのに重量感たっぷりの車体。
便利なのかよく分からない変速段数を表示する【ギヤポジションインジケーター】。
などと他のメーカーには無い、スズキ風味満載の車両でした。
(サンパチは私が愛知県で中型自動二輪を受けた時の試験車でもありました。)
その後も一部の【通(つう)】には大好評だったRG250。
世界初のアルミフレームとその後の250cc馬力規制値となる45PSで登場したRG250Γ。
(やっこ凧カウルにガンダムテール。デンデン太鼓みたいな排気音。斬新だ!)
スズキ初の4スト4気筒として、その出来の良さが評判となったGS750。
それなのに次のモデルは牛みたいになっちゃったGSX750E。
世界中を「あっ!」っと言わせたハンスムートデザインのGSX1100S(カタナ)。
それなのに社内デザインでイルカにしてしまったGSX750SⅢ。
「こんなナナハンが欲しかった!」400cc並の車体に750cc油冷エンジンのGSX-R750。
「油冷エンジンの魅力、軽量小型はどこへ行ったの?」GSX1100F。
と大量の迷車の中に少しの名車を生み出します。(再度失言、ゴメンナサイ。)
今回はスズキをかなりディスっていますが、実は1985年から約8年間程、
私はスズキ自動車様より、外注として仕事を請け負っていました。
(こんな時だけ「様」を付けます。…笑)
仕事としては、パーツリストや技術者向けマニュアルに入れるイラストの作成です。
手順は新型車を発売する前に整備用資料を作る為、
ほぼ市販状態の最終試作車を担当技術者と一緒にネジ一本まで分解します。
そして技術資料やパーツマニュアルの為の【絵】を描くんです。
分解出来ない(圧入された)パーツは図面から描き、持ち帰れる部品はお借りします。
また大きな部品は撮影したり、その場で時間とスペースを借りて作画しました。
社外秘の新型車両と同様に、レース車両も人目に触れてはマズイので、
だいたい同じ倉庫に並んで置かれています。
(8耐用のGSXが調整している横で、
新発売される初代アルトワークスを分解した事もありました。)
バイク好きで絵を描く事の好きだった私にとっては、
大変でしたがやりがいのある仕事でもありました。
(ただ忙し過ぎて、帰宅時間が遅くなるのが辛かったです。)
たまに開催される竜洋テストコースでの走行会にも誘って頂き、
当時バリバリの現役だった水谷勝さんと一緒に走る事も可能でした。
(アマチュア相手に大人げ無いベテランレーサーでした。…笑)
私はスズキからお仕事を廻して頂いていたのに、
プロダクションレースで使用していたのは、ヤマハのRZ系です。
ある日、新型の2スト250ccが発売されるという事で浜松に向かったのですが、
そこにあったのはV型となった【RGV250ΓSP】でした。
「スズキもついにV型2気筒か。やっぱな~。」と納得しました。
(当時ホンダの初代NSR250RがV型2気筒で速く、一人勝ち状態だったんです。)
いつもの様に、先方の担当者さんと車両を分解して行くのですが、
シリンダー内部を見た時は衝撃でした。
「レーシングマシンかよ!」
ポート周りが全てきれいに研磨されているんです。
私が常にいじっていたRZ250R(1XG)とは質感が違います。
当時のプロダクションレースではエンジン内部に手を入れる事は違反だったので、
こんな車両が出れば最初からハンデを与えられる様なものです。
「すげ~な~。こりゃあ、しばらくはVガンマの天下だぞ!」と感心したのも束の間、
同時期にあの伝説の’88モデル【ホンダNSR250R SP】が発売されました。
明智光秀みたいな三日天下でした。(さすが天下のスズキ。)
最近はアニメの影響なのか、【スズ菌】なるヘイト発言をよく耳にします。
「スズキは素晴らしいバイクメーカーだぞ!馬鹿にするな。」
と今までスズキ車を2台しか買った事が無いフクタロウが強く言ってみました。
説得力ないな~。(笑)
ディスカッション
コメント一覧
確かにスズキは形からして非常に変態的な感じがします。
バンバンにしてもなんちゅーふざけたネーミングとも思いましたが、乗ってみたら意外に面白い。
義父もバイク乗りだったんですが、一番壊れないメーカーはスズキだと言ってました。
実際ディオとセピアのプーリー交換をした時にセピアのしっかりした作りに驚いたもんです。
義父曰く、ホンダは年一回壊れるとか…(笑)
確かにディオをバラした時、クランクベアリングは細いしクランクシャフトも2度折れるなど、華奢なイメージしかないです。おっと話がそれました。
スズキがGSを作った時、過剰品質と言われた程、頑丈だったそうですよ。
私も何年か前に姪っ子のジョルノを修理しましたが、駆動系のコストダウンが気になりました。
同時期に修理していたビーノの方が品質的には優れている様に感じましたが、今となってはどちらもホンダ製スクーターですよね。