ジレラクロノ、ソレノイド過熱と電圧低下への対策。
こんにちは、フクタロウです。
今回のブログは、
「ジレラクロノ、ソレノイド過熱と電圧低下」について考えてみます。
(分解して考察しただけなので、修理完了とまでは行きません。)
クロノはジレラのワークスレーサーSP01をベースに公道走行可能に作られ、
1990年から約10年間販売されていました。
(それ以前にもSP01という車両が、ヨーロッパだけで2年間販売されていたそうです。)
古い個体であれば製造から32年、新しくても22年落ちの旧車です。
我が家のクロノも中古購入から23年経っているので、
各部いろんな所に不具合が出ており、その度に代用品で修理をして来ました。
(純正部品は20年前を最後に入手不可です。)
その中でも特に悩んでしまう故障が、
排気デバイスを制御する排気口コントロールユニットです。
(右下の部品です。)
まだ中古部品がヤフオク等で見つけれた頃は良かったのですが、(3個購入!)
ここ10年程ネット上でも見た事がありません。(海外のeBayならあるかも?)
まずは排気口コントロールユニットから出ている6本の配線の中から、
ソレノイドを指示する2本の配線を無効にしてやります。
その代わりソレノイド側に「チェンジマンRPM」という電子部品を付けるのです。
最初は自分で思い付いた方法なのに上手く行くか半信半疑でしたが、
チェンジマンRPMの性能は素晴らしく、
指定した回転数でソレノイドに電気を流してくれます。
修理当初は排気デバイスの切り替えも上手く行き、全てが大丈夫と思っていましたが、
ある日20分程走行すると電圧が8V以下に低下する現象が現れました。
「おかしいな~?」
最初はバッテリーを疑いましたが、特に問題はありません。
次にアース不良をみつけ直したのですが、それでも電圧は下がります。
どうしていいものかと悩んでしまいましたが、
もう一つの不具合「ソレノイドの異常過熱」が原因になっているのではと考えます。
「電力を一番使うのは熱に変える事だよ。」と以前誰かに聞いた事があります。
試しにチェンジマンRPMの可変数値をアイドリング回転に合わせ、
エンジンを掛けてみました。
数分でソレノイドは手に持てない程の高温になってしまいました。
ひょっとしたらソレノイドに流れる電気量が多過ぎるのでは…?
(工学部出身ですが建築なので、電気電子はとっても苦手です。笑)
中学生の時に勉強した「オームの法則」や「ジュールの法則」で考えると、
どうやらクロノのバッテリー(12V9A)を、
そのまま電磁石(ソレノイド)に流しては大き過ぎるのかもしれません。
そこでソレノイドについて少し調べてみました。
① 電圧電流の規定値が合っていても、最大値でのON状態は2秒程度にする。←高温になる。
② ソレノイド内部はゴミはもちろん、油や水も入らない様にする。←高温になる。
③ ソレノイドは普通に使っていても高温(100℃)になる。←120℃を超えてはダメ。
汚れは常に拭き取っていましたが、オイルに関しては普通に塗っていました。
また常にソレノイドがON状態になる6000rpmで走り続けているので、
12V9Aが規定最大値であれば、
ソレノイドが高温になって電圧低下するのも納得出来ます。
連続使用するのであれば、
性能に余裕を持たせなければいけないのかもしれません。(?)
(新電元という日本製ソレノイドですが、古過ぎて検索出来ません。左側ふたつ。)
クロノの排気口コントロールユニット内部では、
バッテリーからの電圧電流の制御(レギュレーターみたいな事)をして、
ソレノイドへの過熱を防いでいたのかもしれません。
そう言えば、今までに故障した排気口コントロールユニットの樹脂部分は、
内部に熱がこもって膨らんだ様に亀裂が入っていました。
(基盤の過熱が原因なのかもしれません。)
それが原因であれば、ソレノイド手前に制御回路を追加すれば、
過熱や電圧損失も防げるかもしれません。
そこで思い付いたのが、「DCモーター用速度コントローラーモジュール」です。
これは直流モーター等の回転速度を強弱させる後付け回路で、
12V~40Vであればハロゲンライトやヒーターにも取り付けられます。
ソレノイドの様なオンオフで使う電磁石では意味の無い使用方法ですが、
電圧電流の使用量を少なくし、長時間でも発熱を下げれないかと考えたのです。
(間違っていても懐が痛まない安物中華製をチョイスします。…笑)
ただ問題はどの程度まで電圧電流を下げれば、
ソレノイドを過熱せずに排気デバイスが無理なく引っ張れるかです。
そんな事を悩んでいたら、クロノ乗りの読者様からメールを頂きました。
<読者様からの実験結果です。>
電源バッテリーを繋いだ状態が12.5Vの場合、
普通にソレノイドを可動させると負荷で「10.9V 7.4A 80W」となります。
(私の場合、10.3Vでした。)
ソレノイドは少なくても「9V 5.6A 50W」無いと引き込みが出来ず、
更に引き込んだ状態を維持する(スプリングに負けない)為には、
「4V 2.6A 10W」が必要だそうです。
読者様の意見としては、
「引き込み限界(9V 5.6A 50W)での使用では、
発熱を下げる根本的な解決策にはならないのでは?」とも書かれていました。
…ありがとうございました。大変参考になりました。
その可能性は大きいのですが、現状私が出来る策として、
先程の「速度コントローラーモジュール」を取り付けるしかありません。
また私のブログを参考にチェンジマンRPMを取り付けた場合、
ひょっとしたら過熱による不具合が発生する場合もあります。
安全性を確保する為にも、色々と策を練って試してみます。
それまでは過熱に注意して下さい。
(今日部品を購入するので、週末には取り付けます。)
ディスカッション
コメント一覧
はじめまして。東京でcx125に乗っています。数年前までは排気デバイスがちゃんと動いていたのですが、最近高回転で力無いなと思い、確認したとこヤッパリ動いていない様子。現在考えているのは、アクセルワイヤーに三分岐のものを使い手動で出来ないか、部品調達中。数年前にはレギュレターが不調でカワサキの部品に交換以降好調。電気周りは苦労させられますね。
中野さん、はじめまして。コメントありがとうございます。
CX、クロノの排気デバイス不良は避けて通れない故障ですよね~。
ほとんどの方は高回転側に排気デバイスを固定させ、低回転でのトルク不足は我慢して乗っているみたいです。
でも旋回中、6000rpm以下に落としてしまうと、加速しないんですよね~。
そこで私は左ハンドル側に手動スイッチを付けて排気デバイスを可動させた事がありますが、操作が複雑で諦めました。
「アクセルワイヤーに三分岐のものを使い手動操作させる」との事ですが、上手く行ってらどの様な仕組みか教えて下さい。
7月に機械的に手動でバルブ開閉出来るように改造したものの、純正の様に乗りやすくパワフルな感じではなく、バルブが開くタイミングが合っていないか?早く開けるとスロットルが全開にならなくなりあきらめていたのですが、スロットルを開けると回転が上がらないのはバルブが開くのが早過ぎるのか?・・・思ったら吉日でツーリング中に調整、試走をくりかえし、我慢出来るレベルになってくれました。
仕組みは、2気筒2st車(RZなど)のアクセルワイヤーを素材に1本はキャブ、1本はオイルポンプ、1本はバルブにタイコを調整、微妙な調整はアジャスターで行いました。タイミングが遅いと力無く回転だけ上がるだけで、早すぎると回転が上がらなくなる。エンジン回転ではなく、スロットル開度連動ですがギヤの選択で何とかする面倒くさい仕様です。もう少しセッティングやってみたいと思います。ではまた。
電子機器に頼らず、機械式(アクセル開度)で排気デバイスを操作するのって難しいですよね。
アクセルだけの操作で6000rpm可変は、低いギヤと高いギヤでの狂いが出そうです。
ちょうどいいタイミングを出さないといけないので、セッティングが大変そうです。
でも上手く可変出来れば、CXクロノ系の持病、排気口コントロールユニット故障の修理方法に一石を投じれます。
お互いこれからも頑張りましょう!