ベスパ50S、燃料コック修理。
先週末、久しぶりに【ベスパ50S改】の修理をしました。
長いことガソリン入れっ放し状態だったので、頂いた時から問題有りの【燃料コック】です。
取り合えず使える様にと仮修理はしてあったのですが、
どういう訳かどの位置にコックを回してもリザーブになってしまうんです。(出るんならイイか…笑)
ちゃんとコックを分解して直せば問題ないのですが、
何故かベスパ・ビンテージシリーズの燃料コックは外から簡単には取り外せ無い様に作ってあります。
ガソリンタンクの入り口から専用工具を差し込まないと、中で固定されているナットが回せないのです。
当然それは特殊工具として販売されていますが… 結構高価なんです。
欧州スクーター部品を専門に扱っている【宇賀神商会】さんでは無料貸し出しもしているのですが、
なにせ出張が多くて自宅にほとんどいない自分としては安易(無責任)に借りる事も出来ません。
そこで工具を自作してみる事にしました。
[第1号工具]
32mmという大きいサイズのスパナなので、普通に切って加工しても給油口から入りません。
入った所でナットまわりのスペースが狭い為、スパナを噛ます事も出来ないのです。(下の左下イラストです。)
そこで薄手のスパナで隙間に入る様にサイズを切り合わせて溶接してみました。(上の写真 左です。)
力を掛けたら見事に真ん中から割れて、大失敗でした。(涙)
[第2号工具]
今度は1.6mmの鉄板を2枚重ねてスパナ型に折り重ね、溶接してみました。(上の写真 真ん中です。)
2枚程度では強度が足りず、鉄板が開いてしまい大失敗でした。(涙涙)
[第3号工具]
よーく考えてみれば、無理して中のナットを回さなくてもいいんです。
ナットを何かで押さえて固定し、回す作業は手の届くコックを外から回せば…。(もっと早く気付きなさい!)
30年位前から持っている【金ヤスリ】を突っ込んでやるとコレがバッチリでした。(上の写真 右側です。)
ついに大成功です。バンザ~イ!…でもなんかムナシイ。
取り外したコックを分解してみると内部はかなり汚れていました。(やっぱ分解しないとダメなんですね~!)
オン・オフ・リザーブを切り替える為の真鋳パイプが2本とも腐食し、穴が開いていました。
長いパイプが『オフ』で短いパイプが『オン』、底にある穴が『リザーブ』になる仕組みの様です。
(パイプが折れたり穴が開いていた為に、コックがどの位置でもリザーブ状態になっていたのです。)
本来なら新品の燃料コック(1,980円)に交換すべきなのですが、
貧乏性の私は車庫に余っていた【燃料ホース】を使って補修する事にしました。(下の右イラストです。)
結果は大成功でした。…セコイ!
耐油フューエルライン・ホース 愛知県 1,050円
ディスカッション
コメント一覧
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イラスト凄い上手ですね☆
燃料コック¥1980は微妙に手が出ない金額ですよね(笑)
自分もいつも何かで代用出来ないものかと思ってしまいます。
去年の暮れにキャブからのガソリン漏れが気になったので、
フロートバルブを交換しようとしたんですが、お値段なんと¥3500。
とても購入は出来なかったので、ドリルにバルブをセットしオイルストーンで段差を研磨しましたがうまくいかず、だましだまし使ってます(笑)
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ありがとうございます。
久しぶりにテクニカルイラスト描いてみました。
80年代後半のスズキ自動車パーツマニュアルを描いていたのは私です。
(全部じゃないですけど…笑)
レストアしていると細かい部品を数多く購入する事になりますよネ~。
だから一つ一つはそれ程高価でなくても知らない内に数が増えてしまい、
ボディブローの様にオトーサンの小遣いにダメージを与えます。
それにしても「フロートバルブ¥3,500」はヒド過ぎます!
訴えてやりましょう。(笑)
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おぉ!懐かしいタッチのイラスト!
辞めてから十数年経つのに衰えてないですな~。
これって、ロットリング?辞める時パクッてきたんですか?
意地悪な私は[第1、2号工具]の制作、作業時間の合計を知りたい所です。(~o~)
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イラストは写真で撮ってから縮小してブログアップしてあるので、
上手に描けている様に見えますが… 結構ウデは衰えてしまってます。(笑)
イラストはロットリングではなくて、サインペンで描きました。
元々私物でロットリングは持っていましたが、辞める時にも…。
今思うとロットリングよりテンプレート(楕円を描く定規)を、
全種類パクッて来るべきでした。(笑)
[第1、2号工具]の制作、作業、挫折時間の合計は、ふたつ合わせて半日です。(汗)
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おおっ!!そんな過去をおもちとは・・・(尊敬)
それではうちにあるパーツリストもお書きになったのかなぁ
日本のダニエルルブールですね(そう言われても分かりませんよね)
では頑張ってレストアしてください。
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ダニエルルブール?…すんまへん、全く知りません。
私が書いたパーツマニュアルですが、
二輪は油冷GSX-Rシリーズ、並列&V型RGΓシリーズ、ウルフ、バンディット等です。
(SX、TSなんてオフロード車や原付も結構描きました。)
四輪はカルタス、エスクード、カプチーノ、そして初代アルトワークスを描きました。
当時スズキはプジョーと繋がりがあったので、205カブリオレなんて変り種もありました。
スズキ本社で車体をお借りし、ビス一本まで分解して寸法を測ります。
圧入等で分解できない場合は図面から作画するのですが、
大抵が極秘扱いの新車種なので設計図の情報が社外に漏れない様に気を使いました。
でももっと大昔の1970年代ではかなりアバウトだったらしく、
プロト車に仮ナンバーを付けてそのまま会社(愛知県)まで乗って来れたそうです。
調子に乗り過ぎて「途中で転ばした!」なんて事もあったらしいです。(笑)
私の思い出としては受け持ちの車両を撮影していた隣りで、
公表前の8時間耐久レース用ワークスGSX-Rが最終調整していた事でした。
レストア頑張ります。