ジレラクロノ、ソレノイドの異常加熱。
こんにちは、フクタロウです。
5月に入ってから我が愛車ジレラクロノは、
アース不良による電圧低下、ジレラクロノ、電圧が不安定な原因。
チェーンスライダー加工修理、自作チェーンスライダーの改造。
と不具合が続きました。
今週末はそれら修理結果を確認する為の試走を考えていたのですが、
不運にも昨日新たな不具合を発見してしまいます。
(読者の方から質問をメールで頂き、クロノを確認した時気付きました。ありがとうございました。)
それはソレノイドの異常加熱です。(熱でケーブルが溶けていました。)
高回転型2ストロークエンジンを積んでいるクロノには、
低回転時のトルクアップに有利な排気デバイスが付いています。
ヤマハが考案しRZ250Rで市販化されて以降、
メーカーを問わずその後の2スト車には必ず付いています。
2ストエンジン最大の魅力は高回転でのパワーです。
しかし高回転側に特化させてしまうと低回転でトルクが得られず、
一般道ではとても乗りづらいオートバイになるのです。
これは競技車でも同じで、セッティングさせたギヤ比に合わないコーナーでは、
どうしてもエンジン回転を外さないと走れません。
特に小排気量車では一度回転を落としてしまうとドンドン抜かれます。
(半クラッチ多用でクラッチ板もすぐに減ってしまいます。…笑)
元々は環境を考慮したエンジン開発で始まったシステムでしたが、
1977年のフィンランドGPに登場した新型YZR500でその高性能が実証され、
1983年から二代目RZとして市販化されたのです。
(1977年と言えば、片山敬済さんが世界チャンピオンになった年です!)
YPVSの仕組みはエンジン回転数をイグナイター(CDI)で感知し、
電気信号とモーターを使って排気側の鼓型バルブを可変させます。
2本のワイヤーを使い鼓型バルブを回転して排気タイミングを上下させるのですが、
当然特許が絡んで来るので、ヤマハ以外は最強システムの鼓型バルブが使えません。
他メーカーがヤマハの特許に抵触しない排気デバイス考案に苦労する姿は、
はたから見ていても「大変だな~、それって無理あるよ。」と感じる程でした。
クロノにも排気デバイスが付いていますが、板が上下するギロチン型です。
これはYPVSの様にモーターを使って無段階に可変させるのではなく、
電磁石(ソレノイド)を使ってオンオフ(上下)させる仕組みです。
(エンジン回転数を排気口コントロールユニットが拾い、1本のワイヤーで引っ張るだけです。)
<ON>
<OFF>
通常は6000rpmで可変する様にセットされていますが、
製造から新しい個体でも20年以上経過しているので、
生き残っているほとんどのクロノ&CXは排気口コントロールユニットがパンクしています。(涙)
排気口コントロールユニットの故障としては、
① 回転数が上がっても電気が流れない。→排気デバイスが動かない。
② エンジン回転に関係なく電気流れっ放し。→ソレノイドが触れない程加熱する。
この二種類が主な症状です。(どちらも経験済!…笑)
我が家のクロノも排気口コントロールユニットが何度か故障しました。
最初は排気デバイスを高回転位置に固定させたり、
スイッチを取り付けて手動で切り替える仕組みを作りましたが、
どちらも操作が難しく、故障する前の様な走りが出来なくなってしまいました。
ジレラクロノ、手動排気デバイス作成。
それで何とかならないかと色々と調べ、
代用品としてチェンジマンRPMという電子部品を取り付けてみたのです。
ジレラクロノ、イグナイター代用品。
これは2ストエンジン用ではなく、古い自動車にクーラーを後付けさせた場合、
アイドリング時の負担軽減を目的に作られた装置です。
エンジン回転数も自由に設定出来るので、
取り付け後は色々と可変時期を変えて試してみましたが、ノーマルがベストでした。
点火時期の故障が起きるとエンジンが掛からなくなったり、
排気デバイスが作動しても高回転まで回らない(回転が上がるのに時間が掛かる。)
等の症状が現れます。
さて今回のクロノの症状としては、
① 排気デバイスはチェンジマンRPMを使って正常に稼働している。
② 点火時期は故障していない。
普通に高回転まで回り、排気デバイスも普通に可変する。
ただケーブルの被覆が溶ける程ソレノイドが熱くなるのです。
とりあえず、マニュアルに従ってワイヤーの長さを調整します。
(かすかな希望で、長さで負荷が掛かってるかと思ったのです。)
正常でした。(涙)
「……、わからん。」
排気口コントロールユニットが正常に動いていた時のソレノイドは、
熱くはなるがケーブルが溶ける程の状態にはならなかった。
チェンジマンRPMを取り付けたから、この症状が出たのかもしれない?
他に思い付かないので、
チェンジマンRPMが稼働した時の電圧を計ってみました。
「10.3V」…おかしくない、…と思う。
「もっと低い電圧で動かすのだろうか。(?)」
そうであればチェンジマンを取り付けた事から考え直さないといけない。
(以前排気口コントロールユニットが故障した時は、15Vまで上がった。)
ソレノイドに電気が流れない様に回転を抑えて走る事もひとつの方法だが、
峠専用でライディングを楽しむ乗り方では、6000rpm以下で走る事は不可能です。
「誰か壊れてない排気口コントロールユニットの、可変電圧教えてくれ~!」
早く解決策をみつけなければ! …かなり先の次回につづく。(笑)
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